インプラントの耐用年数は?
平均耐用年数
失った歯を補う治療法には、主に入れ歯やブリッジ、インプラントがあります。このうち見た目が美しく、自分の歯と同じような感覚で噛めるインプラントを選択する患者様が増えてきました。
耐用年数は入れ歯が3年程度、ブリッジが5年程度とされるのに対して、インプラントは一般的に10~15年と長いのが大きな特長です。
実際に、治療10年経過後の平均残存率は9割を超えているというデータもあります。
適切にメンテナンスすれば、20年以上の使用が期待でき、41年間もインプラントを使い続けた患者様の例もあります。
ほかの治療法に比べて耐用年数が長いのは、インプラントの大きな魅力といっていいでしょう。
耐用年数は品質によって異なる
インプラントと一口にいっても、材料や表面処理、形状などの品質によって耐用年数が異なります。
保証期間もメーカーや歯科医院によって異なりますが、5~10年が一般的です。
インプラントメーカーの数は、実に100社以上。世界的に定評のあるメーカーから、安さを売りにしているメーカーまで多岐にわたります。
インプラントの耐用年数を伸ばす方法
インプラントは適切にメンテナンスを行うことで、耐用年数が伸びます。主に必要なメンテナンスは以下の3つです。
セルフケア
インプラント自体は虫歯になりませんが、ブラッシングは欠かせません。適切な歯磨きをしなければ、インプラント周囲炎などのリスクが高まるからです。
ブラッシングによって、インプラント周囲のプラーク(歯垢)や細菌の蓄積を最小限に抑えることが肝心。インプラントと自然歯の境界や歯肉線周辺を中心にブラッシングします。1日2回、各2分間が目安です。
定期的なメンテナンス
インプラントを長持ちさせるには、セルフケアに加えて歯科医院での定期メンテナンスも不可欠です。一般的には、インプラント治療の後の1年間は3カ月ごと、それ以降は年に2~4回、歯科医院でクリーニングを受けることが推奨されています。
定期メンテナンスでは、プラークやタータ(歯石)の除去、インプラントの検査などが行われます。インプラントの耐用年数を伸ばすだけでなく、口腔内全体の健康を維持するためにも効果的です。
噛み合わせの調整
定期メンテナンスの際には、噛み合わせも調整します。
インプラントは耐用年数が長いとはいえ、使っているうちに噛み合わせにズレが生じることがあります。上部構造の人口歯部分が摩耗したり、ほんの少し破折したりするケースもあります。そうなると、噛み合わせにかかる圧力のバランスが変わってしまうことに。定期メンテナンスの際には、こうした噛み合わせをチェックして調整します。
実は、噛み合わせは歯科の中でも難しい治療とされてており、すべての歯科医師が精通しているわけではありません。患者様一人ひとり、適切な噛み合わせが異なります。その点、当院は患者様の日常生活における心理的ストレスを軽減できるよう、噛み合わせ治療を重要視しており、実績が豊富です。
インプラントの耐用年数を減らす行為
インプラント周囲炎
インプラントは人工的な修復物ですが、メンテナンスを怠ると歯周病の症状が起きることがあります。歯磨きなどのセルフケアや歯科医院での定期メンテナンスを怠ると、インプラントやその周辺の骨組織に影響を与える細菌に感染して、インプラント周囲炎になってしまうことがあるのです。
そうなると、インプラント体周辺の組織が破壊されたり、骨が溶けたりしてしまう恐れがあります。インプラント自体に問題がなくても、脱落したり、修復不可能になったりして、撤去せざるをえないこともあります。
喫煙
喫煙習慣がある人は、非喫煙者と比べてインプラント周囲炎を発症する割合が数倍も高くなるといわれています。喫煙者は、インプラント脱落率が約2倍という研究報告もあります。
喫煙は、インプラントが顎の骨や周辺組織と結合する障害になることがわかっています。喫煙による免疫力の低下によって、細菌感染のリスクも高まります。
かつてはインプラント治療自体、喫煙者には難しいとされていました。しかし今は技術が向上し、タバコを吸っている人でも治療可能です。ただし、メンテナンスをしっかりと行うようにしましょう。
歯ぎしり・食いしばり
本人は眠っていて気づかなくても、実は日本人の約7割は歯ぎしりをしているといわれています。歯ぎしりは、時に100kg以上の圧力がかかることがあるほどです。
自然の歯の場合は、顎の骨と歯をつなぐ「歯根膜」という組織が力を分散するクッションの役目を果たしています。しかし、健康な歯ですら歯ぎしりによって削れたり、ヒビが入ったりすることが珍しくありません。
ましてやダイレクトに圧力を受けてしまうインプラントは、部品の破損などによる耐用年数の短縮につながってしまう可能性があります。
就寝中の歯ぎしりや食いしばりがある方はマウスピースをするなどの対策が必要です。
まとめ
インプラントを長く使い続けるために欠かせないのは、適切なセルフケアや定期メンテナンス。といっても、特別難しいことではありません。
お口の中のセルフケアを習慣化するとともに、信頼できる歯科医師と連携しながらインプラントと上手に付き合っていきましょう。
浜松町歯科・矯正治療院および松木歯科医院では、以下の5つをインプラント治療のポリシーとして掲げています。
- 噛み合わせを考慮したインプラント治療
- CT分析・シミュレーションの徹底
- 治療計画の説明と同意
- 徹底した感染対策
- サージカルステント(ガイド)を用いたインプラント埋入
- プロビジョナルレストレーション(仮歯による機能・審美性の確認)
患者様がご納得いただけるまで、丁寧に治療相談を行います。
インプラント治療を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。